SPG Amex が Marriott Bonvoy Amex に変更

2016年にマリオットがスターウッドを買収し、2018年に SPG プログラムが Marriott Bonvoy に統合されましたが、クレジットカードはずっと SPG Amex でした。
(SPG の S はスターウッドです)
これがついにクレジットカードも Marriott Bonvoy Amex になりました。
名称だけでなく、特典もちょっと変更されたので簡単にまとめておこうと思います。

Marriott Bonvoy Amex は2種類ある

事態をややこしくしているのが、Marriott Bonvoy Amex が2種類あるところです。
今までの SPG Amex から自動移行されるのが Marriott Bonvoy アメリカンエクスプレスプレミアムカードで、その下位のカードとして Marriott Bonvoy アメリカンエクスプレスカード(プレミアムがつかない)が出来ました。
うーん、名前もちょっとややこしい……。
もともと SPG Amex を持っていた人としては、単純に Marriott Bonvoy Amex プレミアムになってどうなるかという比較だけでなく、下位のカードとも比較してどっちが自分に合っているのかを検討する必要があります。なかなか大変ですね。
かくいう私も結局どうなのか悩んだので、その比較をしてみました。

SPG Amex と Marriott Bonvoy Amex の比較

SPG AmexMarriott Bonvoy プレミアムMarriott Bonvoy
年会費34,100円49,500円23,100円
家族カード17,050円24,750円(1枚無料11,550円(1枚無料
ホテルステータスゴールドゴールド
年間400万円以上利用でプラチナ
シルバー
年間100万円以上利用でゴールド
ポイント
下段は対象ホテルでの利用
100円3ポイント
100円6ポイント
100円3ポイント
100円6ポイント
100円2ポイント
100円4ポイント
宿泊実績5泊15泊5泊
無料宿泊特典50,000ポイントまで年間150万円以上利用で50,000ポイントまで
15,000ポイントまで追加可能
年間150万円以上利用で35,000ポイントまで
15,000ポイントまで追加可能
スマートフォン保険なしありなし
海外旅行傷害保険自動付帯利用付帯利用付帯
返品・キャンセル・航空機遅延保険ありありなし
帰国時手荷物無料宅配成田・関空・中部羽田・成田・関空・中部成田・関空・中部
SPG, Marriott Bonvoy Amex 比較

年会費

SPG Amex から自動的に移行するのが Marriott Bonvoy Amex プレミアムと考えると15,400円の値上げです。
一方で下位の Marriott Bonvoy Amex は上位のプレミアムと比較すると26,400円安く(半額以下)、SPG Amex と比較しても11,000円安くなります。
もちろんそれぞれサービスが追加されていたり削られていたりするので、自分の必要なサービスがあるかどうかとそれが年会費に見合うかどうかを見極める必要がありますね。

家族カード

家族カードが1枚無料になります。
しかしながら家族カード所有者に特にステータスはないので、SPG Amex 時代は存在意義自体が疑問視されていました。
今回は利用額でサービスが変わるものがあるので、それように発行する方がいるかもしれませんが……。

ホテルステータス

さらっと追加されていますが、今までは年間50泊(SPG Amex で5泊分の実績がもらえるので45泊)するしか手に入れられなかったプラチナステータスが年間400万円の利用で手に入るのは大きな変更ですね。
下位の Marriott Bonvoy Amex ではシルバーステータスと格下げになってしまいましたが、年間100万円の利用でゴールドになるので普通に決済用にしているとまぁまぁ達成できるのではないでしょうか。

ちなみにそれぞれのステータスの違いですが、シルバーステータスは正直殆どあってないようなものです。
ゴールドステータスは優先的な部屋のアップグレード(スイートにはならず、ちょっとだけ良い部屋になる)と14時までのレイトチェックアウト。アップグレードは海外だと結構ダイナミックにアップグレードしてくれたりします。
プラチナステータスはなかなか凄くて、スイートを含む部屋の優先的なアップグレード、16時までのレイトチェックアウトに加え、ラウンジのあるホテルはラウンジが利用可能、更に朝食が無料でついてきます。

ポイント

SPG Amex と上位の Marriott Bonvoy Amex プレミアムの付与率は同じで、下位の Marriott Bonvoy Amex は2/3になっています。
Marriott Bonvoy のポイントは魅力的で、有効期限はポイントが最後に(貯めたり使ったりして)変動した時から2年間なので、普段使っていれば事実上有効期限がなくなりずっとポイントが溜められます。
そしてホテルでの利用ももちろん魅力的なのですが、JAL マイルにするにはこのカード一択という感じです。
3ポイントで1マイルですが、まとめて60,000ポイントで20,000マイルに交換するとおまけで5,000マイルがもらえます。

ポイントだけ貯めている人だと、サービスはそこまで要らないから下位のカードでもと思ったら還元率が下がってしまうという悩ましい状態ですね。

宿泊実績

宿泊実績は、ホテルステータスに必要な宿泊数を底上げしてくれるものです。
ゴールドだと25泊、プラチナは50泊必要なので、上位の Marriott Bonvoy Amex プレミアムで15泊分もらえるのは大きいのですが、元々ゴールドステータスが与えられるのでそこまで影響があるかは謎です。
年間400万円は使わないけれど35泊はする人と考えると、当てはまる人は少なそうな気がします。

無料宿泊特典

年間150万円以上の利用という制限がつきました。
とはいえ今までの年会費だけ払っていれば使えるというのが年会費実質無料みたいな感じだったのと、この金額設定ならメインで使っていればクリアできるラインなのでそこまでマイナスでもなさそうです。
更に自分のポイントを15,000まで使う事で、利用できるホテルの幅が広がります。

スマートフォン保険

スマートフォン・プロテクションという保険が Marriott Bonvoy Amex プレミアムにのみ追加になります。
スマホの修理代金を3万円まで補償してくれるものですが、通信料を3箇月以上このカードで決済しているのが条件のようです。

海外旅行傷害保険

以前は旅費をこのカードで払っていなくても半額くらい保険が下りたのですが、このカードで払ってない場合は一切つかなくなりました。

返品・キャンセル・航空機遅延保険

SPG Amex にもあった保険ですが、Marriott Bonvoy Amex プレミアムにのみ残っています。

帰宅時手荷物無料宅配

Marriott Bonvoy Amex プレミアムにのみ、羽田空港(第三ターミナル)が追加となりました。
海外も出来れば羽田を使いたいので、これはちょっといいですね。

結局どれにしたらいいのか

まとめてみたものの、凄く迷う結果になりましたね……。

年間の利用金額で考えると、400万円以上ならプラチナステータスがゲット出来るので間違いなく上位の Marriott Bonvoy Amex プレミアムがお勧めです。
150万円以上なら無料宿泊特典も使えるしゴールドが維持できるので(100万円以上)、下位の Marriott Bonvoy Amex カードでも良いかもしれません。ポイント還元率は下がりますが……。
150万円未満の場合はそもそも選択肢から外れる気がします。

私もそうですが、JAL マイルのために持っている場合はポイント還元率を考えると上位の Marriott Bonvoy Amex プレミアムになる気がしますが、ちょっと計算してみましょう。

仮に200万円決済したとして、60,000ポイントもらえるところ40,000ポイントしかもらえなくなります。
その差20,000ポイントは、単純計算でマイルにすると(60,000ポイントで20,000+5,000マイルなので25,000/3で)8,333.33マイルです。
分かりやすく eJAL ポイントにするとこれも単純計算で(10,000マイルで15,000eJAL ポイントなので)12,500eJAL ポイントとなり、12,500円相当が失われるということになります。
あれ、年会費の差は26,400円あるので、カードのグレードを下げた方がプラスになりますね……。

しかし当然決済額が上がっていけば変わってきますし、マイルを特典航空券にする場合は1マイルの価値は2倍くらいあがるのでこの差は縮まります。
ここでは触れませんでしたが、ホテルでの利用の場合はステータス毎にボーナスポイントが設定されています。
シルバーは10%でゴールドは25%なので、100万円利用するまでにホテルで決済していると大きく差が開くことになります。

うーん、何処に重点を置くかによってどのカードにするかが変わってくるようですね。
年の途中で変更すると年間決済額がリセットされる仕様のようなので、実際に一年間使ってみて判断してみようと思います。

creditcard

Posted by yokky